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甲状腺のラジオ波治療のご案内
2022/02/08- カテゴリー:
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甲状腺のラジオ波治療
甲状腺腫瘍に対するラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法(RFA)は、現在保険治療の適用外ですが、国内外で十分な効果と安全性が評価されている新しい治療法です。国内では、2008年に昭和大学横浜市北部病院が先駆者となって、切らずに治す「甲状腺ラジオ波治療」を開始しており、これまでに従来の部分切除と同等の良い成績を収めておられます。甲状腺腫瘍に対するラジオ波治療単独の治療成績としては、凝固(ぎょうこ)範囲の86~100%の全壊死率が得られ、長期成績も良好とされています。当院でも、昭和大学横浜市北部病院と連携をとり、画像を見ながら針を刺す「穿刺(せんし)」の専門医により、安全で効果的な甲状腺に対するラジオ波治療を行っています。
甲状腺のラジオ波焼灼療法の解説動画
甲状腺のラジオ波焼灼療法の適応
一般的には、以下の病変が良い適応となります。
〇 甲状腺良性腫瘍
〇 微小乳頭癌(低悪性度のもの)
場合に応じて・・
〇 甲状腺癌術後再発
〇 リンパ節転移
なども適応になることがあります。
実際には個々の患者様の病態に応じて、治療適応を決めていますので、担当医にご相談ください。
甲状腺のラジオ波焼灼療法の実際
局所麻酔を行ったあと、超音波を確認しながら、直径1.5mmの細い電極(でんきょく)という針を挿入し、ラジオ波を流して熱を発生させ、腫瘍部の細胞を破壊します。局所の温度は50−70℃まで上昇しますが、皮膚や周囲組織(血管、神経、食道など)が火傷(やけど)や損傷をしないよう行いますので、治療中に痛みや熱さを感じることはほとんどなく、安全に治療ができます。ご希望に応じて、治療中に少し眠くなるお薬を使うこともできます。
電極針の挿入 | 治療終了後(傷は残りません) |
甲状腺のラジオ波焼灼療法の効果
ラジオ波治療は、メスでしこりを切り取る手術とは異なり、傷は残りません。腫瘍を熱で焼いて治療しますので、治療直後から1週間程度は頚部に少し腫れた感覚があります。通常、2-3カ月で治療した部位は縮小していき、腫れた部分も目立たなくなります。治療後は定期的にCTや超音波で効果の判定を行います。悪性腫瘍の場合には、治療後に画像診断以外にも、必要に応じて細胞診や組織診を行い、がん細胞が死んでいることを確認します。
甲状腺のラジオ波治療の効果
ラジオ波治療治療直後から1週間程度は腫れた感覚があります。
通常、2−3ヶ月で治療した部位は萎んでいき、腫れていた部位も目立たなくな
ります。治療後、1ヶ月目、3ヶ月、6ヶ月、1年目に受診していただき、CTや超音波にて治療効果の判定をします。
治療後のCT像の変化(左から順に治療前、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)
(腫瘍がCT上は黒くなり、徐々に縮小していきます)
(※昭和大学横浜市北部病院 甲状腺センター 福成先生よりご提供)
ラジオ波治療の合併症について
安全性については、特に注意をはらっています。
ごくまれに、熱による皮膚および周囲組織のやけどや、声の神経(反回神経)の損傷や出血などの合併症が報告されています(診察の際に詳しくご説明します)。
費用、入院について
甲状腺のラジオ波焼灼療法は、新しい治療法で現在保険適用外のため、自由診療(自費)となります。
ラジオ波治療までの流れ
まずは、当クリニックを受診していただき、治療の適応を判断させていただきます。事前の超音波(エコー)画像、採血結果、CT画像などをお送りいただければ、受診後の流れがスムーズとなりますが、当院で改めて精密検査を行うことが可能です。治療の適応となれば、治療日程を決定いたします。
*その他、詳細やご不明な点については、クリニックまで直接お問い合わせください。
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