安全への取り組み
安全管理への取り組み
一人一人の患者に目を向けることにより、
きめ細やかな医療の提供を心がけています。
今日、医療は高度化・複雑化し、医療技術・医療機器など、高度な専門性が要求されるようになっています。
これに伴い、いろんな場面での危険性も高まりますが、都島放射線科クリニックではチーム全体で徹底した安全管理をおこなっております。
医師・医学物理士・看護師・事務と多職種が一体となり、チーム医療を実践しています。週に一回、全員で個々の患者について話し合うカンファレンスをもち、それぞれ意見を出し合うようにしています。
このようにチームが一つになり、一人一人の患者に目を向けることにより、きめ細やかな医療の提供を心がけています。
また、都島放射線科クリニックでは非常に精度の高い治療機を使用しているため、徹底した精度管理も必要となってきます。
精度管理情報の共有・分析・見直しにより、医療事故防止に全力を注いでおります。
このように、すべての患者に安全・安心な医療を提供するため、職員一人ひとりがきめ細やかな医療に対する意識を高められるよう取り組んでいます。
クリニックの安全管理のための体制
1.放射線治療品質管理部
放射線治療における医療事故(※1)を防止し、安全性の向上を図る部署であり、安全管理体制での中心的な役割を担っています。
当部署は「治療計画装置の管理」「治療機器の管理」「シミュレーション装置の管理」「照射技術の管理」「治療方針の管理」の5つの部門から構成しています。
それらには、放射線腫瘍医学、放射線治療技術学、放射線診断学、医学物理学といった専門的なアプローチが要求され、各部門には専任スタッフと責任者を置いています。
活動内容
- 治療装置・治療計画装置・画像診断装置の性能保守管理(1週・1ヶ月・半年・1年)
- 治療計画の放射線腫瘍学的管理
- 治療計画の医学物理的管理
- 治療セットアップ精度の管理
- 治療患者カルテの管理
- 放射線診断画像の管理
2.放射線障害防止部
都島放射線科クリニックでは、高エネルギー放射線発生装置(※2)と呼ばれる装置を用いて、がん治療を行っています。
この装置を使用するには、おもに放射線障害防止法という関係法規に従って運用を行わなければなりません。
当部署は法律の厳守に基づき、使用施設周辺の公衆や事業所内の従業員に対する放射線障害の防止について監督する部署です。
実際の診療とは異なる管理業務が主体であり、上記の放射線治療品質管理部とは独立運用しています。
活動内容
- 放射線管理区域の管理(設備、及び漏洩線量の定期確認)
- 放射線発生装置使用時間の管理
- 放射線障害防止に関する教育訓練の実施
- 放射線取扱従事者の健康診断の実施
3.医療安全管理部
診療業務を中心としたリスクマネージメントについて監督する部署です。
よく医療事故は「氷山の一角」として表現されます。
現実に発生してしまった医療事故の下には、無数のリスクが潜んでいるという図式です。
当部署では、インシデントレポート(※3)を運用し、業務の中に潜む「リスクの調査」「リスクの除去」「そしてその継続」を監督し、診療に関する医療事故を未然に防止することを目的として運用しています。
活動内容
- 患者診療全般の医療安全管理
- インシデントレポートの管理運用
- 副作用の調査とその原因と対策の検討
- 医療物品の品質管理
※1 放射線治療における医療事故
放射線治療は、放射線腫瘍医が決定した投与線量をがんである病巣に、正しい位置に、正しい量を照射することで達成されます。
放射線治療における医療事故は、他の医療行為に比較して、独特の原因によって発生しています。
その報告のパターンを分析すると以下のような原因であることが分かっています。
- 放射線治療計画装置のパラメータ設定ミス
- 放射線治療は、治療計画装置を用いて、治療を行った場合の体内の線量をコンピュータシミュレーションしてから治療を行います。
この時、治療計画装置には、使用する放射線発生装置から出力される放射線に関するデータ(パラメータ)をインプットして計算を行います。
放射線治療における医療事故は、このデータのインプットミスが最も多いと報告されています。
- 放射線測定に関するミス
- 放射線治療は、放射線発生装置の出力の定期測定や治療計画装置のシミュレーション結果の実測定による確認を経て、その精度が保証されます。
放射線治療における医療事故は、測定作業を行っていないことや、測定作業に誤りがある場合も多く報告されています。
- 専門スタッフの欠如に起因するミス
- 放射線治療の専門的な業務に専任スタッフを置くことができず、専門知識の欠如による装置・機器の操作ミス、あるいは、これに伴うスタッフ間の情報伝達ミスによる事故も報告されています
※2 高エネルギー放射線発生装置
放射線障害防止法では、放射線を発生する装置のうち、あるエネルギー(1メガ電子ボルト)以上の放射線を発生する装置を高エネルギー放射線発生装置と定義されています。
高エネルギー放射線は、たとえば家庭用コンセントで使用する蛍光灯からの光線のおよそ10,000倍のエネルギーを有する光線といえます。
放射線障害を防止する観点から、このような高エネルギー放射線発生装置は、その取扱いに対しての詳細が法律により規制されています。
※3 インシデントレポート
医療行為おいて、医療事故、あるいは事故には至らなかったが“ハッ!”とした事例について、「発生の日時と場所」「発生の状況と原因の分析」「再発防止のための対策」等をレポートするものです。
この運用を徹底することで、医療事故や医療事故に繋がりかねない事例を収集し、それらの事例を分析し、対策を検討することで、医療事故の再発防止、あるいは医療事故を未然に防ぐことを目的としたもので、一般の医療現場で広く取り入れられています。